グーグルvsフェイスブック、同じ広告収入モデルなのに原価率に大差の理由Photo:123RF

 米国ビジネススクール講師である著者が、グローバル人材のための「決算書の読み方」を伝授する本連載。基礎編で学んだ決算書をベースに企業のビジネスモデルを検証していきます。

 今回は、米国のITジャイアント、Google(グーグル)について触れていきたいと思います。グーグルの運営する検索サイトは現在、世界の検索エンジン市場において90%超のシェアを占めており、圧倒的な地位と強さを見せつけています。皆さんも一度は、“ググった(グーグルから派生した「検索する」の動詞)”経験があるのではないでしょうか?

 来年2022年で創業25年になるグーグルですが、メールサービスの「Gmail」をはじめとして、地図やオンラインストレージ、写真、動画共有サービス「YouTube」など、さまざまなビジネス領域で事業を展開しています。19年にグーグルが発表した年次財務報告書(10K)では、8つのグーグルのコアビジネスにおけるユーザー数は10億人を超えていると試算しています。(20年の10Kでは記載なし)。すなわち、グーグルユーザーは全世界で少なく見積もっても、のべ80億人と世界人口を超える規模までに拡大しているのです。

 本日はこのグーグルのビジネスモデルと強さについて、ひも解いてみたいと思います。

グーグルのPLはどちら?

 ではいつものようにクイズから始めていきましょう。

 本日はグーグルとフェイスブックの損益計算書(PL)を比較してみたいと思います。AとBのどちらがグーグルか当ててみてください。

グーグルvsフェイスブック、同じ広告収入モデルなのに原価率に大差の理由出典:各社の10K(年次財務報告書)を基に筆者作成
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 では、次のページで正解と解説をお伝えしましょう。