正しい姿勢をとるコツと、
自律神経にとってよい胸式呼吸

 ストレスや不安を抱えてしまう人に本当に大切なのは、姿勢と呼吸と食事、睡眠、そして考え方です。この5つすべてをうまく調整していって体は快復していきます。1つでもかけてしまうと、なかなかよくなりません。

 正しい姿勢をとるコツをお教えしましょう。正しい姿勢は、胸を張るのではなく、お腹を背中につける意識で、お腹を凹ますことです。お腹を凹ますだけで背すじがすっと伸びた感じがしませんか? 背すじを伸ばそうとすると腰が反ってしまいますが、これなら無理なく正しい姿勢がとれます。頭が体の真ん中にストンとのる感じになるのでとても楽なのです。そして目線は真正面を向けること。座り姿勢でも立ち姿勢でも同じです。

 心拍、体温維持、内臓の働き、血管の収縮や拡張など、生命維持にかかわる体内の働きの中で、唯一自分の意思でコントロールできるのが呼吸です。意識的に深くゆっくり呼吸をすると副交感神経が活発になり、交感神経の働きを抑えます。心を落ち着かせたいときに、ふーっと深呼吸をしますよね。これがまさに副交感神経が働いてリラックスした状態です。

 では、自律神経にとってよい深呼吸を紹介しましょう。

 それは胸式呼吸です。胸を大きく膨らませて深く大きな呼吸をすることは、脳脊髄液の流れをよくし、全身の神経の働きを高めてくれます。それだけではありません。内臓が活発に動くようになるという作用もあるのです。内臓にも筋肉が付いているので、体がリラックスすることで内臓の筋肉もリラックス、当然その機能も高まり弱った内臓がリセットされます。

鼻から息をゆっくり吸いながら胸を膨らませていくと、お腹は自然に凹んでいく。胸を凹ませながら息をしっかり吐ききる。ゆっくり吸って吐いてを3~5分繰り返す鼻から息をゆっくり吸いながら胸を膨らませていくと、お腹は自然に凹んでいく。胸を凹ませながら息をしっかり吐ききる。ゆっくり吸って吐いてを3~5分繰り返す(イラスト/フクイサチヨ) 拡大画像表示

 胸式呼吸をするときの注意点です。まずは吸うよりも吐くことを意識すること。吸うことを意識しすぎると過呼吸を引き起こすこともあるので注意が必要です。そして、脳が今リラックスしていると勘違いするまで3~5分は続けてください。脳に「今はリラックスしているんだ」と勘違いさせれば、副交感神経を高めるように体に指示を出します。2~3回大きな呼吸をするだけでは脳をだますことはできません。

ストレスや不安を抱える人へ 自律神経が整う考え方『ストレスや不安を抱える人へ 自律神経が整う考え方』
原田 賢 著
定価1450円
(朝日新聞出版)

 口から吐いて鼻から吸うことを意識しすぎるとかえって緊張してしまうので、鼻で呼吸すれば問題ありません。口から吸うのは、ダイレクトに汚い空気が肺に入ってしまうのでやめましょう。

 そして忘れてならないのが、正しい姿勢で行うこと。悪い姿勢を続けると呼吸に使われる筋肉が硬くなり、肺は膨らむ範囲を小さく制限してしまうのです。呼吸と姿勢は関係があると覚えておいてくださいね。(構成/生活・文化編集部)

AERA dot.より転載