ルールで厳しく縛られてしまう

 ルールを守らない人や作業効率が落ちてしまう人が増えると、生産性や従業員・従業員の家族の健康などを慮って、テレワーク中のルールが厳格化されることもある。特に近年厳格化されていた喫煙に関するルールが、テレワークをきっかけにうやむやになってしまうことは会社にとっても悩ましい問題だ。
 
 ダイドードリンコやイオンがテレワーク中の喫煙を禁止することを決定したり、大阪市の中学校教頭がテレワーク中の喫煙で懲戒処分になったりと、手を打つ会社や団体も出てきている。また、サボリが常態化していると、パソコンのウェブカメラを常にオンにしておかなくてはならないなど、通常出勤のとき以上に厳しく管理されてしまうこともあるため注意が必要だ。

誘惑以外の頼まれ事が増える

 誘惑に負けて仕事をサボっていると、会社や上司以外にも目を付けられることがある。子どもの送り迎え、宅配便の受け取り、ペットの世話など、家族サービスや家の細かい用事をこなすことを期待されてしまうのだ。

 勤務時間中ずっと仕事に集中しているのであれば声もかけられにくく、「仕事中だから」とお願いも断りやすい。しかし、おなかの上にノートパソコンを乗せてゴロゴロしながら仕事をしていたり、おやつ休憩や喫煙休憩をしばしば取っているようだと、分が悪いだろう。「今まで仕事が忙しいって家のことを丸投げしてきたけれど、妻に案外ヒマそうねと家事の分担を増やされてしまった」という人も。

効果実感度別!
テレワーク中の誘惑に打ち勝つ禁欲術

 数多く待ち受ける甘い誘惑を断ち切るには、自分だけの意志では心もとない。朝、仕事に行くときと同じ時間に起きる、きちんとした格好に着替えるなどの方法も一通り試したが、どれもいつの間にかやらなくなってしまった。しかし、勝率10割とはいかないまでも効果を発揮してくれた禁欲術もある。筆者が10年以上テレワークを続ける中で効果を実感した度合い別に、テレワーク中の誘惑に勝つ禁欲術を紹介したい。

ワークスペースをつくる
効果実感度★★★ すぐやれる度★

 プライベート空間と切り離したワークスペースをつくることは、かなり効果的だ。できれば、テレビ、プライベート用のパソコン、漫画、ゲームなどが目に入らない独立した部屋を確保したい。それが無理ならば部屋の端っこでも良いので、仕事をするためだけのスペースをつくろう。グーグルなどで導入されて「集中できる」「生産性が上がる」「姿勢が良くなり、健康にも良い」などと注目されているスタンディングデスクであれば、場所を取らない省スペースかつリーズナブルなものも多いのでおすすめだ。

欲の源を奥深くに埋める
効果実感度★★ すぐやれる度★★

 誘惑してくるものが手近にあると、つい手を伸ばしてしまう。そのため、

・お酒を買い置きしない
・お酒を冷やしておくなどすぐに飲める状態にしておかない
・スマホの通知音をオフにする
・SNSアプリをフォルダの中などできる限り深いところに格納する
・スマホやパソコンは仕事用とプライベート用を分ける
・プライベート用パソコンを仕事に使用しなくてはならない場合は、プライベート用のサイトをブックマークから外す

 など、欲の源をなるべく自分から遠ざけよう。