ユニクロ「全商品リサイクル活動」が生み出した
マーケティングの新しいかたち
「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングが進めている、「全商品リサイクル活動」という活動、皆さんはご存知ですか?
「服は使い捨てるものではない」という考えのもと、着なくなったユニクロの服を回収し、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)などとパートナーシップを組んで、世界中の難民キャンプなどで配布しているというのがこの活動です。ユニクロで衣類を購入した際、袋の中に「300万着足りません。」というインパクトあるチラシを見たことがある人もいるかもしれません。
ファーストリテイリングはこれをCSR活動の一つと位置づけ、自社のウェブサイトでも紹介しています。
ところがこの活動は、CSR活動として現地の人々に感謝されるのみにとどまらず、社会的な影響力を持ち、コミュニティにWinを生んでいます。たとえばアフリカのある地域では衣服の配布場所を移動クリニックにしています。医療の重要性に対する理解がまだ浅く、また家父長制度が強く残る現地において、特に女性が遠い距離を歩いて医師の診察を受ける機会は多くありません。
そんななか、この衣服の配布は診療を受けようという動機づけの役割を果たしているのです。そして受診に来れば、医療・診察の重要性を説明され、理解することができるというわけです。こうした成果を見ると、この取り組みは医療に対する人々の理解の底上げを図り、確実にコミュニティにWinを作っているのだと言えますね。