FIREへの近道は「収入の多さ」ではなく「貯蓄率」

――『FIRE 最強の早期リタイア術』のなかでは、「FIRE」を目指す人にとって非常に勇気づけられる「収入よりも貯蓄率」という話が紹介されていますね。

岩本 そうなんですよ。ここはとても大事なポイントです。投資収益で生活費を賄うと聞くと、直感的に「収入が多い人の方が実現しやすい」と思うじゃないですか。

 でも、それは違うんです。大事なのは「収入」よりも「貯蓄率」。収入が5000万円の人でも貯蓄率が低ければ「FIRE」を実現する可能性は低くなる。一方で、収入が300万円でもそこから貯蓄率を高めていけば、確実に「FIRE」を実現する可能性が上がってくるわけです。

 「貯蓄率」と「リタイアまでにかかる時間」の相関を表したグラフが『FIRE 最強の早期リタイア術』にも載っているんですが、このグラフはもっとも多くのメディアで引用されたものの一つです。

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――これは非常に勇気づけられる話ですよね。年収が300万円でも、少しずつ貯蓄率を上げていけば、誰でも「FIRE」に近づいていく。そう言われると、日々の支出を見直して、ちょっとでも貯蓄しようと思いますよね。

岩本 それこそが「FIRE」を目指していく本質だと思います。「FIRE」の出発点は、投資でお金を増やすことではなく、支出の見直しであり、支出の最適化なんですよ。

 それともう一つおもしろいのは、支出を見直して、投資をするようになると、無駄遣いをしなくなって、投資にお金を回したくなってくるんですよ。

 これまであまり考えずに無駄遣いしていた人でも、「FIRE」を目指して貯蓄率を高めていくことを意識し出すと、無駄遣いしていた分を貯蓄に回していくのが楽しくなってくる。これはすごくいい効果だと思います。

――それはすごく納得できますね。ただ「貯金しましょう」と言われても、なかなかその気になれませんが、「貯蓄率を高めるとFIREに近づく」とわかっていれば、貯蓄率が高まっていくこと自体がちょっと楽しくなりますね。

岩本 その二重の効果は大きいと思いますね。グラフを見てもらうとわかるのですが、「いくら投資しているか」ではなく「貯蓄率が何%か」が重要なので、自分の収入がいくらでもいいから、とにかく貯蓄率を高めていく。

 そこを目標にしていると、貯蓄率が高まるにつれて「何年、何ヵ月FIREに近づいている」という具体的な数字がわかってきます。

 そうやって「FIRE」を目指していくこと自体すごく楽しいですね。無理に倹約しようというのではなくて、その生活そのものが楽しくなってくる。そうやって、自然に支出も最適化されていく。一石二鳥ですね。

 実際、そんなふうに「FIRE」を目指している人もかなり増えてきています。私自身、以前はよけいなものをつい買っていましたが、「FIRE」の考え方や生き方を知ってから、それはかなりなくなりました。

「FIRE」への道は「収入ではなく貯蓄率」。「FIRE」の本質は、投資で大儲けすることではなく、支出の最適化。自分の生活を見直す意味でも「FIRE」の考え方を知っておくのはとても効果がありますね。

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