「コロナ禍では、Zoomを使いオンラインでシャッフルランチを行っています。食材はテークアウトや配送サービスなど、各自で用意。実施時のランチ代も、一定額を補助しています。リモートワークで社員同士のコミュニケーション機会が減少し、このような施策の重要性がさらに増してきました」(Gunosy 広報)

 そのほか同社では、半期に一度行われる締め会をオンラインで開催するなど、リモートワークに合わせた運営へと移行しているという。締め会の配信中には「多くのコメントで埋め尽くされるなど、オンラインならではの楽しみ方や臨場感が生まれていると感じています」と分析する。

素早く、社員の不安に寄り添う
福利厚生で読み解く企業の強さ

 最後に、少し“変わり種”の福利厚生も紹介したい。2020年6月、ちょうどリモートワークが定着し始めた頃、オンラインゲームの開発・運営を行うコロプラではオフィスチェア約500脚を従業員に譲渡した。
 
 同社が運営するウェブサイト「コロプラBe-ars」にその詳細が書かれている。当時、ソーシャルディスタンス確保のために社内レイアウトの変更を進めており、希望者にオフィスチェアを譲渡することにしたという。在宅勤務が進む中で、自宅での仕事環境が不十分だと感じた人は多いはず。コロプラでも「集中して仕事をするために、疲れにくい椅子が家に欲しい」という声が社内で多く上がっており、こういった決断になったようだ。
 
 そのほか、先ほど取り上げたGMOペパボは「感染症休暇」を新設。本人や同居家族の感染症罹患時に使用可能な年5日の特別休暇(有給)を作ったという。まさに時代や社会状況を反映した制度といえそうだ。
 
 コロナ禍で生活様式や価値観が大転換する中、企業は急速な対応が求められてきた。それは外に向けた自社のサービスだけでなく、従業員への福利厚生も同様だ。いかに素早く、新しい状況に応じた制度を導入し、社員の不安や課題に寄り添えるか。その対応を見ていくと、企業としての姿勢や強さが分かるかもしれない。

【訂正】記事初出時より以下の通り訂正します。
17段落目:GMOインターネットグループが創部したアスリート育成チーム「GMOアスリーツ」の一人、ランナーの下田裕太選手
→GMOインターネットグループ(GMOアスリーツ)に所属するランナーの下田裕太選手
(2021年8月3日0:12 ダイヤモンド編集部)