日本の金メダル獲得を
投資家は喜べない?

 では金メダルはどうか。さっそく見てみよう。

 金メダルと半年リターンにはマイナスの相関が見られた。つまり、金メダルが多くなればなるほど、半年リターンは下がるということだ。グラフの点線からは、金メダルが16個を超えると、半年リターンはマイナスになる(傾向がある)こともわかる。

 これは大変だ。投資家は日本の金メダルを喜べないことになってしまう。

 そこで、少し頭を使って予想精度を上げてみよう。

 グラフ1と表2を見ると、異常な半年リターンを出した年がある。これは、オリンピックとは無関係な理由でそうなったからに違いない。それを除外することで精度が上がるだろう。

 まず、半年リターンが74%と最も高い数値を記録したヘルシンキ大会(1952年)だ。1951年にサンフランシスコ講和条約を締結した日本は、1952年にIMFに加盟。だが、同年に国連に加盟を申請したものの、ソ連に拒否権を行使され、国連に加盟すらできなかった時代だった(日本の国連加盟は1956年)。

 当時の日経平均は200円台。日本はまだ「経済小国」で、株式相場はちょっとしたことですぐ上昇下落していたため、この年を除外することにする。

 次に、半年リターンが最も低い-38.7%を記録した北京大会(2008年)だ。この年、リーマンショックが起きた。オリンピックとは関係なく、大きく相場が下落したのは間違いないため、この年も除外することにする。