受け身だった読書が「宝探し」に変わった
――『独学大全』をお母さんにも勧めていただいたとのこと。
ネルノダイスキ:はい、母は学び直しの道具としてはもちろん、読み物としても楽しんでいるそうで、通読2周目に入ったそうです。
――ありがとうございます。ネルノダイスキさんも、もともと本を読むのはお好きですよね? ジャンルはバラバラということでしたが、どんな本を読んでいますか?
ネルノダイスキ:主にエッセイや学術書、ルポ、伝記、詩、などをよく読みます。小説は長編はほとんど読むことはなく、短編やミステリなどは時々読みます。悩みは、本棚に本がたくさんある割に、読んだ本の内容は本当に一部しか覚えていないものばかりであることですね……。
――『独学大全』の刻読や抜き書きを実践したことで、変化はありましたか?
ネルノダイスキ:以前は本を読むときは「本から情報をたくさん受け取ってその中からたまに気になった引っかかった言葉が脳に張り付いてる」という受け身な感じだったのですが、それが変わりました。刻読と抜き書きを意識してからは「自分にとって引っかかるところを掘り進める、本の中に埋まっている鉱脈を探す感覚」で割と読書の仕方が能動的になったな、と感じています。宝探しみたいな感じでしょうか。
――お仕事にも役立っていますか?
ネルノダイスキ:はい。「私淑」の強度が上がって、仕事の方向性で迷うことが減りました。
もともとかこさとしさんや大竹伸朗さんなど、私淑している作家の大事な数冊は、内容を覚えるくらい繰り返し読んでいたのです。さらに大切な言葉を抜き書きしていつも繰り返し読むようにしておくとやっぱり忘れないようになるし、仕事の進め方や判断で迷ったときの指針になりますね。