近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。2021年入試でも、大学付属校の難化傾向が目立ちました。そんな中で「早慶GMARCH」「関関同立」をはじめとする、人気の「付属中学」の合格を勝ち取るにはどうすればいいのでしょうか?
「御三家をはじめとする進学校と同じ対策をしていてはダメ」というのは、「中学受験 大学付属校合格バイブル」の著者で、早慶をはじめとする大学付属校専門の中学受験塾を経営されている野田英夫氏。実は大学付属校の入試問題には、基本的な問題が多く進学校のような難問が少ないので、付属校に特化した対策をすれば偏差値が足りていない子でも逆転合格がかないやすいのです。
発売即重版となった本書から、知られざる付属校受験の実態や、合格のためのノウハウの一部をお伝えしていきます。

【大学付属校の中学受験】模試の結果で偏差値よりも気にすべきものとは?Photo: Adobe Stock

これをやるだけで、模試の意味がぐっと高まる!

 模試を受けた際、大切なことは二つあります。意外とこれをしていないご家庭が多いので、基本的なことですが、お伝えしておきます。

・正答率を見る
・解き直しをする

「偏差値を見て終わり」では、模試を受けた意味がありません。模試はその子の得意科目、苦手科目のあぶり出しに最適なのです。

 まず見るのは各問題の「正答率」です。ここには、受験者全体の正答率が示されています。たとえば正答率95%の問題は、受験者のほとんどが正答したということです。これが3%となると、100人中3人しか解答できていないということがわかります。

 ざっくり言えば、70%の子ができている問題は「基本問題」。これを落としているなら、必ずできるようになるまで復習します。逆に正答率が20%以下の問題で自分が正答しているなら、それは「得意分野」です。もしそこが志望する学校で頻出の分野であれば、しっかり磨きをかけておくといいでしょう。

 また、正答率を見るときには「どの分野の問題を間違ったのか」を見るようにします。たとえば算数なら、同じ偏差値の子であっても、「単純な計算問題を間違えた」のか「立体の切断が解けなかった」のかで、その後の対策はまるで違います。親御さんの役割は、模試でお子さんの苦手分野を見つけること。そして、次の模試や別の模試でその苦手分野ができるようになったならすかさず褒めることです。

 第一志望に合格した“まなえさん”は、受験が終わってこんなふうに言っていました。「お母さんは偏差値が落ちても何も言わなかった。いつも『苦手だった水溶液の問題ができるようになってすごいね』というふうに、できたことを褒めてくれた。だから成績が落ちても、そんなに気持ちは落ち込まなかったよ」

 見るべきは偏差値よりも「正答率」。そして苦手分野、得意分野のチェックが必要であるということを覚えておいてください。