高齢者がコンビニで働く日本
東南アジアに近づいている?

週刊ダイヤモンド 2021年8月28日号『週刊ダイヤモンド』2021年8月28日号の第1特集は『安すぎ日本 沈む給料、買われる企業』。ひろゆき氏のインタビュー以外にもさまざまなデータとエピソードで、安すぎる国となった日本の今をレポート

 フランスには派遣労働がなくて、人のコストが高い(注:フランスにも派遣のような間接雇用の制度はあるが、厳しい制限が設けられている)。だから企業は人間の代わりに機械を使ってコストを下げようってなる。たとえばファストフード店には大体、タッチパネル式の注文端末が導入されていて、人が注文を受けることがすごく少なくなっています。

 それが日本だと今でも、「人のぬくもりが大事」なんて言って、人を減らす方向にいかないじゃないですか。

 もう一つ、パリから日本に戻って気がつくのは、高齢者がコンビニエンスストアやスーパーなんかで普通に働いていることです。これはパリではなかなか見かけません。フランスは元々、「働かないのが当たり前」というところがある社会ですから、高齢になったらすごく貧しい人以外はリタイアするものだとみんな思っている。

 日本以外だったら東南アジアの国々でも、かなり高齢のお年寄りが一生懸命働いているじゃないですか。そういう国に、日本は実態としてかなり近くなっているんでしょう。