SNSを遠ざけることで解決することも
そんな感じで生きづらくなっている毎日に心当たりがある人を、ラクにする一つの方法は、SNSを遠ざけることです。
仕事柄、それはできないとか、人間関係上そういうわけにもいかない、という方もいると思います。でも、その場合もSNSで発信される情報を、あまり鵜呑みにしないことが大切です。
そもそも、SNS上の情報なんて、どこまで信頼していいかわからないことを理解しましょう。
「美味しい料理ができました」とインスタグラムに投稿していても、実際は見た目重視なだけで、味はものすごくマズいかもしれないし、そもそもその人が本当につくった料理の写真かどうかもわかりません。
そんなふうに言うと人間不信になりそうですが、皆それぞれの「こう他人から見られたい姿」に擬態をし、多かれ少なかれ、演出や編集を加えて情報を発信しているのです。
その程度の情報に「羨ましい」とか、「それに比べて自分は」なんて引きずられてしまうのは損でしかありません。
私自身についていえば、たとえばフェイスブックはやめました。前の職場の中で当たり前のように、皆がフェイスブックをやっていたので、私もはじめました。
でも、在職中何かをするたびに医局の人達からリアクションが飛んでくると、おちおちプライベートなことは投稿できなくなっていきました。
その職場を辞めた現在では、いちいち今は関係ない人の情報が入ってくること自体、煩わしいだけになります。こんなSNSなんて止めたほうが気がラクです。
皆がやっているフェイスブックを止めて不便なことはないんですか? と聞かれたら、答えは「はい」。全然、困りません。
必要な人と連絡がとりたければメールや電話をすればいいだけ。SNSなんてそんなものです。
ほんの数年前までは、ないのが当たり前で、何の不自由もなく皆が生活をしていたのです。もちろん、SNSを便利に活用する手段は、いくらでもあるでしょう。
ただ、それは好きな人がやればいいだけの話で、面白くなければ参加する必要はないのです。
POINT:
皆がやっているからといって、あなたがやる必要はない。
元内科の精神科専門医 中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。 精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー4万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。