7月4日、ダガーナイフなど「刃の長さが5.5センチ以上のもろ刃の刀剣」の警察への提出・廃棄等、保有する刃物を処分するための猶予期間が終了した。今年1月5日に施行された銃砲刀剣類所持等取締法(通称「銃刀法」)改正により、ダガーナイフなどを個人的に所持することも、販売用として保有することも原則禁止されたが、施行時点で保有していた人および販売業者の対応期間として6カ月の猶予期間が設けられていたものだ。

 警察庁のまとめによれば、この期間中に回収された刃物は1万1744本。うち、販売業者からの警察への提出は3443本だった。また、警察で把握している規制対象の刃物の販売業者(76社)による廃棄・輸出等は3214本となっている。

 銃刀法改正の直接的な引き金になったのは、2008年6月に発生し、7人が死亡、10人が負傷した「秋葉原無差別殺傷事件」。凶器として使われたダガーナイフは、ホームセンター(HC)やインターネットを通じて比較的容易に購入できることから、事件後、警察庁では、同等の刃物を販売する際、運転免許証などで顧客の身分確認を行うよう販売業者に要請したという経緯がある。

 数年来、未成年者による殺人殺傷事件が危ぐされ続けている。今年に入っても、6月に大阪、7月に奈良と続けて、高校生による殺害事件が発生した。この2件に共通するのは、顔見知りによる犯行であること、殺害目的でHCから凶器を購入した点である。「殺すために近くのHCで(凶器の木槌を)買った」、「先のとがった包丁(刃渡り約16センチ)をHCで探して買った」と、それぞれの容疑者である高校生が供述している。

 このほかにも、HCと関連づけて報道される殺人殺傷事件は少なくない(表参照)。