米連銀総裁2人が退任発表、金融取引が物議Photo:Slaven Vlasic/gettyimages

 米国のボストン、ダラス両地区連銀が総裁の退任を発表した。金融取引が報じられたことで、両総裁の退任や連邦準備制度理事会(FRB)の倫理規則見直しを求める声が高まっていた。

 10月8日付で退任するダラス連銀のロバート・カプラン総裁(64)は連銀の発表文で、自身の株式取引がFRBの職務に支障を来したことを認めた。

 ボストン連銀は、エリック・ローゼングレン総裁(64)が健康上の理由により退任時期を約9カ月前倒しして9月30日に退任すると発表した。ローゼングレン氏は連銀の発表文で、腎臓移植の条件を満たしているため退任すると述べた。

 連銀総裁は多くの場合、65歳で退任しなければならない。

 ローゼングレン氏を巡っては、金融政策の設定に携わりながら昨年に株式や不動産関連の投資商品の取引を行っていたことが最近明らかになっていた。カプラン氏に関する開示文書では、同氏が2015年にダラス連銀総裁に就任して以降、株式や株式先物、金利ファンドなどの取引を数百万ドルの規模で行っていたことが判明した。FRBの開示文書では取引日の記載が義務付けられているが、カプラン氏の開示文書には「複数」日とあった。ダラス連銀は具体的な取引日を明らかにしていない。