コロナ禍で皆さんの営業は、どのように変化しましたか?「直接面会できない」「商品・サービスを見せられない(伝えられない)」「相手先の会社や個人の雰囲気・空気がつかめない」「直接相手を訪ねていくことで示せていた誠意が伝わらない」など、これまでの方法ではうまくいかず、悩んでいた時期もあるでしょう。しかし、その反面、営業成績が落ちるどころか、伸ばしている人がいることも承知のはず。何が違うのでしょうか。その違いは、すでに7年読み継がれている本書『「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』で明かされています。そして、オンライン営業のスキルを加えてパワーアップしたのが、『[新版]「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』。本書よりいつの時代もどんな業種でも結果を残す営業スキルを伝授します。

オンライン営業で忘れてはいけない「3つのステップ」Photo: Adobe Stock

オンライン営業は「紹介」から始まる

 オンラインでどのように営業していけばいいでしょうか。

 既存客か新規客かでやり方は変わります。既存客には前もって、メールなどによって面会の目的と予約の確認をすればいいでしょう。複数で会議などを行う場合は、前もって担当責任者と打ち合わせをしたうえで、事前の資料などを用意して会議に臨みます。

 多くの営業マンを悩ませるのが、まだ会ったことのない新規客へのアプローチです。突然、オンライン面会などを申し込んでも応じてくれる確率は低いものです。

 そこで、「フォローアップ」です。本書の「フォローアップ」をぜひ読んでください。人に会わなくても、紹介があれば、新規客の「アポイント」「アプローチ」に悩むことはありません。

 前回の保険営業マンの例は、まさに、紹介から始まっていることに気づきましたか? これもまた、質問型営業のなせる業です。オンライン営業に移行してから、紹介の重要性=フォローアップの重要性に気づいた方は、売上をますます伸ばしています。

 そこで、(紹介された)新規の人が参加しやすいようなアプローチを考えます。それが、次に説明する「メールやSNS→セミナーの開催→個別面談」の流れなのです。

1.メールやSNS

 メールやSNSを使って、セミナーを告知します。このときに商品説明ではなく、問題・課題を解決するための商品セミナーの告知をします。当社ならば、質問型営業の説明ではなく、「営業での問題解決」「業績アップ」についての講演やセミナーを開催する告知です。

2.セミナーの開催

 オンラインセミナーを開催します。すると、(紹介された)新規の人で興味がある人が集まってきます。極端に言えば、参加者が1名でもオンラインなら開催可能です。むしろ、興味のある人は自分一人でいろいろなことを質問できるので、喜ばれます。

 セミナーは、開催告知に書いてある内容で話をして、相手に役立つ時間とするのです。このとき、一方通行で説明するのではなく、質問型営業のトークを使いながら、相手の問題を解決する時間とします。最後にそれをさらに解決する具体的な方法として、相手に役立つ自社の商品・サービスの内容についてプレゼンするため改めて面会の約束を取りつけることです。その際に、採用する、しないは相手に委ねることをしっかり伝えましょう。

 セミナーの開催は少人数でいいです。6名までで、感想を聞きながらの形式で行うと、双方向のコミュニケーションがとれて、参加型のセミナーになり、満足度が高くなります。

 また、参加者とオンラインでコミュニケーションを行うときは、ギャラリーなどの全体が映っている状態で話すと、周りの人の反応が気になって集中できなくなるのでスピーカービューにして一対一で話し合うことです。集中して話し合うことができると、他の人にも役立つ内容になります。

3.個別面談

 メールやセミナーを経て、初めて個人的に会話をします。マンツーマンで、お客様と話をするとき、お互いがオンラインなので、常に注意を引き付けておく必要があります。そのためにも相手の問題・課題を解決する話題で進めていくことが重要です。

 事前に解決したいこと、課題などをメールでもらっておくといいでしょう。できなければ、当日、何を解決したいかを聞いて、そのための時間に費やすことです。

*本原稿は、青木毅著『[新版]「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』から抜粋、再編集したものです。