若手の小林鷹之氏の登用は目玉中の目玉人事ですが、山口壮(環境相)氏の登用は二階派(特に二階氏)からするとしびれるポイントでしょう。元々、民主党にいた山口氏は二階氏のパワーによって自民党に引っ張られ、地元の自民党兵庫県連では認められなかったので、二階氏のお膝元の自民党和歌山県連に所属をするという変化球を使ってまで二階氏に守られていた方です。その山口氏を環境相として受け入れるのですから、岸田氏からすれば、正しく「敵に塩を送る」人事といえるでしょう。

 いずれにせよ、今回の一番の目玉人事は、先述の若手3回生議員の大臣への登用です。

 通常では副大臣を経験してから大臣を経験するということが通例です。しかし、牧島氏、小林氏は副大臣を経験していません。

 余談ですが、当選同期というのは年齢を超えて皆、基本的に仲が良いものです。牧島かれん氏は「かれんちゃん」、小林鷹之氏は「たかちゃん」、堀内詔子氏は「のりちゃん」と互いに呼び合っています。ちなみに、3人と同期の私は「けんちゃん」です。

 この若手3人はどういう人物なのか、筆者の目から見た人物評をお伝えしたいと思います。

初入閣となる
若手3人の人物像

■牧島かれん氏

 自民党には数多くの勉強会が存在します。経済、金融、農業、医療などの分野から、日米、日中、日韓などの外交関係など、実に幅広いのです。それぞれの勉強会には会長がいるのですが、実際に管理運営しているのは「事務局長」です。そして、牧島氏は党内で最も多くの事務局長を引き受けているといっても過言ではないほどの、ザ・事務局長なのです。

 これはただの人気者では務めることはできず、政策的な能力、役所との交渉や調整、そしてなんといっても我の強い議員たちの意見を集約しまとめていく力が求められます。