再び、PLCは存在するのか?

 しかしPLC戦略の最後にまた、最初の問題に戻ります。プロダクト・ライフサイクルなどというものは、本当に存在するのでしょうか?

 音楽メディアにはありました(SP→レコード→カセットテープ→CD)。DRAM(1K→4K→16K→・・・→256G)等の半導体製品にも明らかに存在します。個別の商品・ブランドでも、もちろん。

 では他はどうでしょうか?

 アパレル業界などではものの流行り方を示すのによく、ファッド(Fad[*5])、ファッション(Fashion)、スタイル(Style)、トレンド(Trend)、クラシック(Classic Style)といった言葉が使われます。

神は死んだ<br />~プロダクト・ライフサイクル戦略の<br /> 破壊力と問題点

 みな、鳴かず飛ばずよりはFadを望みます。それよりは1シーズン持つFashionを。そして、複数シーズンに渡って長く続くStyle/Trend をつくり出したいと思っています。そしてもし、いつまでも愛されるClassic style(定番)になれば最高です。

 でもそれらは、PLCの初期の頃、見分けが付くのでしょうか? 売上の立ち上がりがゆっくりなのは、失敗への凶兆でしょうか? それともクラシック(定番)への吉兆なのでしょうか?

『マーケティング・マネジメント 第4版』ですでにコトラーは、ダーラらによる指摘を紹介しています。

「ライフサイクルはあまりに多様であり、かつ、個別企業の活動自体がPLCに影響を与える」「あるブランドがうまくいかないと、企業は『衰退期に入った』と判断して広告を止める。その結果としてそのブランドは本当に衰退していく」。そして、なんと「PLCに基づいたマネジメント活動は、多くの場合有害である」というのです。

*5 一過性の熱狂的な流行のこと。