NHKのニュースの時間に合わせ、7時、12時、19時に食事

運動は、ヨガを1日に1プラクティス(60分程度)行っている。時間は決めず、ヨガをやりたくなったときに行うそう  Photo by Miki Ikeda運動は、ヨガを1日に1プラクティス(60分程度)行っている。時間は決めず、ヨガをやりたくなったときに行うそう Photo by Miki Ikeda
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 加えて、池田さんの場合、特にダイエットを意識したわけではないのに、コロナ禍で体重が落ちた一番の理由は「食事の時間」です。唯一観るテレビ番組だというNHKニュースにあわせて、朝は7時、昼は正午、夜は夜7時、と毎日きちっと決まった時間に食事をしています。「ニュースが始まるまでに夕飯を作らなくちゃ」と思うことでダラダラと仕事をするのを避け、お酒を飲まなくなったことで朝から全力で仕事に取り組めるという好循環を生んでいます。

 そして、最近少しずつ会食などの機会が増えてきても体重が戻っていないのは「体重計に乗らないと自分を客観的に見られない」と自覚して、体重計を購入したことにも理由がありそうです。

「朝起きたときから体が軽やか。この気持ちよさを知ってしまったら、今のリズムはもう崩せない」という池田さん。「もしも、今の自分が大学院時代に戻ったら何を食べますか?」と訊ねると「居酒屋に行っても揚げ物以外のメニューを頼んで、ビールの代わりに炭酸水にする。それでもみんなとしゃべることができるもの」と笑って話します。

 こうした健康的なリズムの中で気がついたのは、たくさんの人と会わなくても、最新のレストランに行かなくても、何もなくても満たされているということ。「いろんなものを追いかけていたときの方が渇望していた。食事も同じだったのかもしれない」と話します。

 食事をする時間がないほど仕事や勉学に集中できることも、充実した幸せな時間。でも、人生には、生活リズムや呼吸を整えて、ゆっくりと咀嚼する時間も大事なのかもしれません。