選挙は言うまでもなく戦である。終われば勝者と敗者が生まれる。自民党は議席を減らしたとはいえ絶対安定多数を確保して、早々に第2次岸田文雄政権が発足した。野党第1党の立憲民主党は敗戦処理に追われる。事前のメディア報道は「立民に勢い」。それだけに公示前の110議席から96議席に後退したショックは大きかった。
代表の枝野幸男は11月2日の党執行委員会で代表辞任の意向を表明した。枝野が推進した、衆院選で初めて共産党などと候補者を一本化する「野党共闘」が不発に終わったためだ。確かに共産党との共闘路線に対する反発が噴出した。
その象徴が立民を裏から支えてきた最大の支持組織である連合との間に生じた隙間風だろう。女性で初めて連合会長に就任した芳野友子は共闘路線に反対した急先鋒。選挙前から否定的な考えを繰り返し強調してきたが、4日の記者会見で改めて駄目を押した。
「立民と共産が手を結ぶことはあり得ない」