Think locally, act globally
かつてはグローバル規模で戦略を構築し、それを各国の状況に合わせてローカライズしていくという考え方が主流でした。
しかし、デジタル化とグローバル化が進んだ今、現場課題を解決して世界中に展開するという、これまでとは逆の流れが起こせる時代となりました。ポイントは以下の3点です。
①業界などのバイアスを排除して、現場の具体的な事象を観察する
②既存組織にとらわれず、現場の課題を解決するための全体構想を描く
③必要最低限のリソースを確保して、小さくスタートして成功事例を積み上げる
今回の質問は、海外駐在員は今後も必要か、ということでしたが、駐在員は最前線の現場でこのような活動を推進しながら、本社とも連携ができる立場にいます。
海外駐在員をアーキテクトとした現場発の経営改革がボトムアップで全社的に共有される日を目指し、“Think locally, act globally”という考え方で攻めの姿勢を貫きましょう。
次回以降も、読者からの質問に答える形でアーキテクト思考について事例を交えながら解説できればと思いますので、こちらから質問をいただければと思います。
ビジネスコンサルタント・著述家
株式会社東芝を経て、アーンスト&ヤング、キャップジェミニ、クニエ等の米仏日系コンサルティング会社にて業務改革等のコンサルティングに従事。近年は問題解決や思考力に関する講演やセミナーを企業や各種団体、大学等に対して国内外で実施。主な著書に『地頭力を鍛える』(東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)『具体⇔抽象トレーニング』(PHPビジネス新書)、『考える練習帳』(ダイヤモンド社)等。
坂田幸樹(さかた・こうき)
株式会社経営共創基盤(IGPI)共同経営者・
キャップジェミニ・アーンスト&ヤング、日本コカ・コーラ、