内定辞退が減った企業が
行っていた工夫とは
一方で課題を解決するべく、各社ともさまざまな工夫を凝らしています。たとえば、一問一答形式の面接ではなく1人ひとりに合わせてやり取りを変える「対話型」にして、より学生の個性を引き出しやすくしたり、面接前にオンライン上で控室を作り、そこで雑談することで本来の姿を出せるようフォローしたりするなど、「より深く学生を知る」努力を続けています。内定辞退が減った企業の特徴を見てみると、コミュニケーションの頻度や時間を増やすなど、伝える内容や伝え方の工夫が見受けられました。
これらの努力、工夫が功を奏し、オンラインにおいても相互理解のレベルは確実に向上しています。
保護者の中には、「オンラインだとコミュニケーションが希薄になるのでは?」「そんな中で就職先を決めてしまうのはどうなのか?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、入社が確定している企業に対する理解度は、対面でもオンラインでもほぼ変わらない(それどころか「すべてWeb上での面接」のほうが理解度が高い)という調査結果があります。
さらに調査を進めると、就職先企業に対する理解度は「企業との接点が多いかどうか」と相関関係にあるようです。下のグラフを見ると、企業側が資料やWebサイトで情報を公開するのはもちろん、内定者懇親会や定期的な連絡、懇親会などが適切なタイミングで行われていることが、企業理解につながっていることがわかります。つまり、「オンライン化」の影響よりも、各企業が相互理解に向けて、学生個人と適切に対話を積み重ねているかが影響していそうです。