「基準」を持つことが大事
決断できない人に欠けているのは、「決断するための基準」です。基準が明確になっていれば、そこに照らし合わせて機械的に決めればいいだけです。
「決断の基準」がない人は、基準がないわけですから、迷うのは当然です。日によって気分でコロコロと考えが変わってしまい、軸を持っていません。
自分の中の「決断の基準」を定めるようにしましょう。
それでは、どうすれば、決断の基準が作れるのでしょうか。おすすめのベスト3が、次の3つです。
第3位 ワクワクするほうを選ぶ
情報を集められるだけ集め、本や人から学び、客観的に考えられるようになったなら、あとは「自分の感情」しかありません。
「告白したい」「留学したい」「起業したい」など、「したい」と思うのなら、すればいいのです。
なぜ、そうしたいかというと、おそらく「ワクワクするから」でしょう。心の中がワクワクしているのであれば、それを「しない」と、あとで必ず後悔します。
「あのとき告白していれば」「あのとき留学していれば」「あのとき起業していれば」と、たった1回の決断を人生でずっと引きずることになります。
ワクワクするほうを選べば、仮に失敗しても、後悔はありません。後悔がなければ、あとからいくらでも挽回できます。告白して振られても、今までどおり友達関係を続けられるよう努力すればいいだけです。
やれることをやっていく。自分の心の声を信じてみてください。
第2位 難しいほうを選ぶ
人生を振り返ったとき、「簡単にできたこと」と「困難でなかなかできなかったこと」であれば、確実に後者のほうが記憶に残っているはずです。
そして、困難なことのほうが「充実していた」「楽しかった」と思えているはずです。
難しいほうを選んでおけば、後々、知識や経験が増え、自己成長することができます。たとえ失敗しても、経験は残りますし、そこから大きなことが学べることでしょう。
とはいえ、無謀なことをむやみにやるのではなく、「少し難しいかもしれない」と思えるレベルなら、その先に大きなメリットが隠れています。「困難だ」という思いは、プラスに転換するようにしましょう。
第1位 ドラマティックなほうを選ぶ
自分を主人公として客観視したときに、どう見えるかを意識しましょう。
たとえば、映画であれば、主人公が次々とピンチに陥り、そこをくぐり抜けていきます。一難去ってまた一難、波乱万丈なストーリーのほうが絶対におもしろいはずです。
人生も映画みたいなものです。自分の人生を、映画を観るように眺めてみると、絶対にチャレンジしたほうがいいですし、失敗しても立ち直れると思えるでしょう。波乱万丈でドラマティックだと思えるほうを選べば、迷いません。一度きりの人生であれば、「おもしろい人生」を選ぶべきです。
以上の決断のクセをつけることで、自分にしかない「ビジョン」が見えてきます。
「告白」も「留学」も「起業」も、自分の「最終目的」ではないはずです。すべて「道具」「手段」にすぎないのです。小さな決断を重ねながら、最終目的、つまり「ビジョン」が何なのかを考えてみましょう。
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。
コロナ禍に22万部のベストセラーとなった著書『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)のほか、シリーズ80万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)など30冊以上の著書がある。