焼きいもは店舗の扱いが楽
王者・セブンの参入が市場活性化の鍵
コンビニ加盟店にとって、焼きいもの何が良いかといえば、まず、おでんのように手間暇がかからない。
「おでんを入れておく鍋を洗わずに済む」(コンビニ店員)し、焼きいもなら「品切れしそうになったら、原料の芋を補充するだけで済み、加盟店の負担にならない」(あるオーナー)のが最大の利点だ。
ファミマでは20年、1000店以上でテスト販売を実施し、良好な成果が得られたことから今年本格販売を決めたというのが経緯だろう。
一方のローソンは11月3日から全国約3000店で、税込み210円で販売している。ローソンはコンビニチェーンとしてはいち早く、焼きいもに参入した。諸説あるが、もっとも早かったのはローソンから派生した業態の「ローソンストア100」という説もある。
焦点はコンビニトップのセブン-イレブンが参入するかどうか。「セブンのことだから当然、検討はしている」(あるチェーン)という。
セブン-イレブンは、最近、ドーナツの失敗例があったばかり。各店に大型の什器を設置し、あれだけの負担を店舗に強いたものの失敗に終わった。それゆえ、焼きいもに慎重になるのは当然だろう。
だが、ここはセブン-イレブンにも焼きいもに挑戦してもらいたいところ。参入社数が増えればコンビニ焼きいも市場の活性化が見込まれる。
コンビニは壁に当たっている。右を見ればドラッグストア、左に食品スーパー。コロナ禍明けで、少しずつコンビニ需要も回復しているが、まだ全然、安心できる水準ではない。
焼きいもだけに、コンビニ各社には、ここらで“一発かましてほしい”ものである。