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なぜ、今やNYは「起業家にフレンドリーな街」なのか? ニューヨークに根ざしたスタートアップ・アクセラレーター、ERAのディレクターに聞く

岡本彰彦 [Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]
【第3回】 2012年12月11日
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音楽、ファッション、スポーツ、そして広告
コンテンツで勝負するスタートアップは迷わずNYを選べ

岡本 日本の企業はERAにコンタクトをとってきているのか?

MA この夏の育成プログラムに、5つの日本のスタートアップから申し込みがあった。東京、大阪、京都などからだ。僕らはスカイプを通してそのうちひとつと面談を行った。

岡本 しかし彼らはプログラムを修了してデモ・デイに参加することはできなかった?

MA そう、たくさんの申し込みがあるし、僕らは10社しか最終的にデモ・デイでプレゼンする企業を採用できないから、彼らは参加できなかった。でも、採用したかったよ。

 日本のスタートアップでも、メディアやファッションやソーシャル・メディア、金融、スポーツ、音楽関連のスタートアップなら——とくに音楽の場合、音楽産業の中心地はニューヨークだから——ニューヨークが起業にもっとも適した場所だよ。

 でももしハードウェアをつくっていたり、データベースコンピューティングやクラウドコンピューティング関連のスタートアップなら、シリコンバレーがいいだろう。また、収益をあげているんだったら、ニューヨークがいいし、そうでなく、なにかすごくカッコいいものを5年くらいつくり続けているんだとか、利益をあげたくないんだったら、シリコンバレーがいいだろう。

 シリコンバレーのカルチャーとして、あそこにはより多くの投資家がいる。ギュッと凝縮されたかたちで。ニューヨークはまだそこまでではないが、そのシリコンバレーに次ぐ位置にある。ボストンやワシントンD.C.よりもいいんだ。僕がメディアやファッション関連のスタートアップを持っていたら、絶対にニューヨークを選ぶよ。

岡本 広告業も?

MA もちろん。広告会社がニューヨークにあるのは大きいよ。たとえば、もし僕がサンノゼとかサンフランシスコにファッション関連の会社を持っていたら、提携のためにニューヨークに行かなければならない。ファッションでなくても音楽関連でもなんでもそうだ。それだけじゃなく、ニューヨークでは、起業家がお互いによく助け合っていると思う。

 もし君がニューヨークで誰かに会えば、「どんな問題があるんだ?」と聞かれるだろう。そして君が問題を語ったら、彼らは積極的にサポートしてくれるだろう。ニューヨークには、そういうとてもいいコミュニティがあるんだ。

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岡本彰彦
[Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]

株式会社リクルートの投資会社であるリクルートストラテジックパートナーズの代表取締役として、コーポレートベンチャーキャピタルファンドを活用し、日本のみならず、北米、東南アジアをはじめとしたグローバルな投資·事業開発活動を推進する。現職就任以前は、銀行、ベンチャーキャピタル、証券会社などでストラクチャード·ファイナンスや新事業開発に従事した後、2007年にリクルートに入社し、主に同社住宅カンパニーにおける事業開発の責任者とブランドマネジャーを担当。

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