産業界の老舗企業から流行のグリーン資産を高い評価額でスピンアウトする戦略は、理論的に聞こえがいいが、実際にはそれほどよいものでないことが多い。だが、ドイツの鉄鋼・工業製品大手ティッセンクルップの有望な水素事業は例外かもしれない。ティッセンクルップは13日、コングロマリット構造の中で長年埋もれていた合弁会社について、投資家に詳細を示した。同社は合弁に66%出資している。その合弁会社とはウーデ・クロリンエンジニアズで、ティッセンクルップ・ヌセラに社名を変更している。ヌセラは長年、塩素電解槽を製造してきたが、副産物として水素が発生する。製品の再設計により、グリーン水素の電解槽を年間1ギガワット相当ほど、既存設備で競争力あるコストで製造し、既存のネットワークで設置・サービスできるようになった。