『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』唯一の公式サブテキスト『【電子書籍限定】『独学大全』公式副読本』が発売された。この一年間に集まった様々な独学の悩みを解決するとともに、『独学大全』英語、国語、数学、経済学、歴史……など、それぞれの学問分野の学びにどう生かすかについて、徹底的に解説している。「読書猿 百問百答」から、一部を公開する。

「自分で決めるのは疲れるので指示が欲しい」という人が知るべき末路Photo: Adobe Stock

[質問]
『独学大全』のように、目的に応じて使う辞書はちょっと疲れます。正直「この勉強法が正しい」と一つの答えを書いてくれた方がラクなのですが。

全てを自分で決める人のほうが、成果が出ます

[読書猿の回答]
 確かに誰かに決めてもらった方が楽な気がするかもしれません。うまくいかなかったら、決めた人のせいにすればよいですし。

 けれど、他人から与えられたやり方に従うだけの人と、自分で考えて学び方を決めた人とは、次第に差がついていきます。

 自分で決めた人は、決める段階でいろいろ考えた末に選択しているので、なぜそうするのか、自分なりの考えを持って学び始めます。だから、うまくいかない場合でも、自分なりの工夫や改善に取り組める。学べば学ぶほど、いろいろアクシデントにも遭遇するでしょうが、その度に学び方も上達するわけです。

 他人から与えられたやり方に盲従する人が、「やっぱりうまくいかない。こんなやり方はダメだ」と悪口を言っている間にも、自分で決めた人は先へ進んでいるでしょう。

 最後にもう一つ。この本は独学者のための本です。独学者は何をどのように学ぶのか、自分で決める人です。たった一つのやり方を押し付けられたりしたら、独学者は「馬鹿にするな」と怒っていいと思います。

※この記事は、『【電子書籍限定】『独学大全』公式副読本』からの抜粋です。