実施内容が充実
23年卒ではさらにWeb化が進む
では、直近の状況はどうなっているのか。先日発表した『2023年卒インターンシップ・就職活動準備に関する調査』をもとにご説明します。
23年卒学生のうち、インターンシップ・1day仕事体験に参加した学生は、21年9月時点で68.4%。コロナ禍でインターンシップの機会が減少した22年卒に比べると、21.6ポイント増加しました。また、インターンシップ・1day仕事体験の参加社数も、平均5.30社と前年に比べて約1社増えています。
特徴的なのは、Webでの参加が急増している点。参加社数平均5.30社のうち、Webが平均4.58件、対面が平均0.72件であり、前年に比べるとWebが大幅に増え、対面が減少しています。コロナ禍での実施も2年目となり、Webでの実現の手法を模索した結果、プログラムのWeb化が進んだものと考えられます。
Web化が進んだことで、学生の満足度に変化が生じたかどうかも見てみましょう。
インターンシップ・1day仕事体験に参加した学生の満足度(「満足している」「やや満足している」の合計)は、対面が90.0%、Webが88.1%といずれも高水準かつ前年を上回っています。特にWebの満足度は、前年に比べて上がり幅が大きいのが特徴。企業がWebでの実施内容を充実させていることに加え、学生側もWebを使ったコミュニケーションに慣れてきていることがうかがえます。
満足度が高い理由は、プログラム内容ごとの調査結果からも見て取れます。
インターンシップ・1day仕事体験のプログラム内容別参加形態を見ると、Webの上位は「新規事業についてワークやディスカッションなどをする」「業種や企業の説明を受ける」「直接社員に質問できる質問会など」という結果でした。ただ一方で、「社員の補助的な業務の一部を経験する」「社員の基幹的な業務の一部を経験する」など、これまでは対面でないと難しいとされてきたプログラムのWeb参加が増えています。
そして、プログラム別の満足度を見ると、「社員の補助的な業務の一部を経験する」「社員の基幹的な業務の一部を経験する」「仕事をしている社員に同席あるいは同行する」「職場や工場の見学」など、Webでの実施が難しく思えるようなものの満足度が高いことがわかります。
会社説明会や面接など、就活における企業のWeb活用が進んでいますが、インターンシップなどのプログラムにおいても、よりWebの活用や工夫が進んでいる様子がうかがえます。それにより「Webでもリアルに近い仕事体験ができる」点が、満足度につながっていると予想されます。