インターンシップ1dayの仕事体験は、双方向の対話やディスカッションなどが多いため、コロナ禍以前は対面で行うのが当たり前とされてきました。ただ、コロナ禍で各社とも知恵を絞ってWebでのプログラムを充実させており、今後もWebでの実施がさらに増えると見られています。
対面、Webを含め、なぜここまでこのような機会が増えているのか、その背景をご説明します。
厳しい人材不足を受け、どの企業も「できるだけ多くの学生に自社を認知してもらい、応募してほしい」という思いを持っています。その点、インターンシップや1dayの仕事体験は、選考が始まる前に自社の魅力や仕事を伝え、学生との相互理解に繋がる格好の機会。年々注力する企業が増えるにつれ、学生の間でも「企業をより実際に体感できる貴重な場」としての認知が高まり、参加者が増えています。
そもそも、限られた期間内で自己分析し、情報収集して応募先企業を探し、限られた対話機会を通して就職先を選ぶのは、難易度が高いこと。企業側も同様で、短い期間で企業を理解をしてもらい、内定者を選ばなければなりません。このような機会を通じて業界や企業、仕事の理解を深めておくことは、双方にとってお互いを知るメリットが大きいと考えられます。
インターンシップは就職に有利?
ただしそれが全てではない
一方で、学生の中では「インターンシップは就職に有利」との声もあります。実際、調査を行うと「21年卒対象にインターンシップを行った」と回答した企業のうち、「内定者の中に自社のインターンシップ参加者がいた」と回答した企業は8割を超えました。
また、「そもそも採用を目的として実施している」とする企業も4割以上に上っています。学生側へのアンケートでも、「インターンシップ参加企業に入社予定」との回答が約4割となっています。
この数字だけを見ると、「志望企業を早く決めて、その企業のインターンシップなどのプログラムに参加しないと入社できないのでは?」と思われる方もいるかもしれません。実際、学生の中には、「インターンシップなどの選考に落ちたら、選考に応募してもどうせ受からない」と思い込み、応募を取り止める人もいるようですが、決してそんなことはありません。
下記のように、採用数における自社インターンシップ参加者の割合は約3割程度。残りの約7割の採用者は、インターンシップ参加者以外です。企業によってその割合は変わるものの、インターンシップなどのプログラムに参加していなくても、自身の志向や強み、持ち味に合いそうな企業であれば、積極的に応募することをお勧めします。