保護者は現状を理解し
必要なときにはサポートを

 ここまで、インターンシップや1dayの仕事体験は重要な就業体験の機会であり、就職活動の一環としてポピュラーなものになっていること、Webでの実施プログラムが充実し、満足度も上がっていることなどをご説明しました。

 コロナ禍で、就職活動のWeb化が急速に進んでいます。インターンシップなどのプログラムだけでなく会社説明会、面接をWebで実施する企業は多く、学生も情報収集の手段としてSNSや動画配信などをフル活用しています。

 23年卒のインターンシップや1dayの仕事体験は、この冬~春にかけて実施されるものも少なくありません。どの会社のプログラムに参加すればいいのか、どんなプログラムを選べばいいのか、そもそも何を体験したいのか……。迷い、焦っている学生は多いと思われます。保護者の方々は、お子様の心情を理解し、温かく見守り、ときにサポートしてあげてほしいと思います。

 一方でこの時期は、就職活動の準備と、学業や部活などとのバッティングに悩む学生も見受けられます。「体育会の大会とインターンシップ、どちらを優先すればいいか」などといった悩みを耳にすることもあります。その際は、自身が熱中している学業や課外活動をぜひ優先してほしいと思います。

 たとえばですが、大学生活で継続してきた部活の大会や、ずっと準備し続けてきたゼミの発表会など、本気で打ち込んできたものは、今後に生きる力を培った経験であり、選考の場においても自身をPRする大きな材料となります。企業との出合いは他にも沢山の機会があります。もしお子さんが選択に悩んでいたら、自身にとってどちらが重要なのか、共に考え紐解いてあげてください。

 そして繰り返しになりますが、ご自宅での通信環境の重要性はますます高まっています。子どもが心置きなく就職活動ができるよう、通信環境の整備などといったサポートをお願いします。

(株式会社リクルート 就職みらい研究所 所長 増本 全)