「老後生活」は、
30年間続くと思ったほうがよい
日本の平均寿命は男性で約80歳、女性で約86歳ですが、65歳の時点での「平均余命」は男性で約20年、女性で約25年もあります。そして、この数字はあくまで平均ですから、より長生きする人も半数いるということです。
ここでは余裕を持って、「65歳で引退する人は、30年間老後の生活を送る」と見積もっておきましょう。
ということは、先ほどの計算式を当てはめると、「456×30=13680」となり、1億3680万円が必要であることがわかりました。
次は、老後の収入についての試算です。公的年金の給付額については、財政悪化とともに制度が見直されるかもしれず、さらに経済動向にも左右されるので、正確な試算は難しいものがあります。
ですからここは、公的年金を管轄する厚生労働省による2009年の発表をもとに考えます。「経済や出生率が今後も改善しない悲観シナリオでは、2048年ごろ、今よりも公的年金の給付額が約3割減る」という見通しが示されています。
共働き世帯の平均的な公的年金(国民年金+厚生年金)の給付額は、夫婦2人で月額32万円です。ここから3割給付が削減されるとすると、月22万円が30年支給されるので、トータルで約8000万円の収入となります。