12月は公私共に忙しい時期。寒さも体の働きを鈍らせます。過労を放っておくと内蔵機能が低下し、食事が喉を通らなくなります。食べられないとエネルギーをつくれなくなり、ますます疲労がたまるという悪循環に。

 まずは思い切って早く寝ることです。生のショウガをたっぷりすりおろし、ハチミツ、レモンの搾り汁を混ぜて熱湯を注いだホットジンジャーレモネードを飲んで、温かくして休みましょう。一晩ぐっすり眠ると胃腸の働きも多少は回復。風邪予防にも効果が期待できます。

 食事は消化吸収の良い、スープやお粥がお薦めです。素材の栄養分が溶けたスープは、体に吸収されやすく効率的。疲労がたまったときには鶏胸肉、山芋なそを煮込んだスープや、ゴマ、鶏肉、ニンジンすりおろしなどを加えたお粥がよいでしょう。

 飲み過ぎのときは、タラとワカメ、セロリとキクラゲとホタテのスープなどお酒の熱を取り肝機能を助けるアミノ酸が豊富なタンパク質を煮込んだものを。風邪予防には、ビタミンC(柿、ミカン、キウイ、イチゴなどの果物)、ビタミンE(ゴマ、アーモンドなどナッツ類)、カロテン(ホウレンソウ、小松菜、ニンジンなどの有色野菜)を積極的に取りましょう。

 薬膳では“気を補う”といわれる今回のレシピ。鶏胸肉にはイミダペプチドという疲労回復物質が含まれています。代謝をアップするビタミンB群(納豆など)とクエン酸(お酢、柑橘類など)を一緒に取るとさらにパワーアップ。忙しい方は外食で韓国料理の参鶏湯がお薦めです。

薬膳では、鶏胸肉と干ししいたけは気の消耗を補うといわれます
撮影/中川真理子

● 疲労回復に
鶏胸肉と干ししいたけのスープ
 
材料(2人分):
鶏胸肉1/2枚、干ししいたけ3枚、ショウガ薄切り3~4枚、無添加鶏ガラスープの素小さじ1、水2カップ、酒大さじ3、塩小さじ1/3
 
作り方:
①干ししいたけは戻して薄切りに。
②鶏胸肉はさっと洗い、一口大のそぎ切りにして酒大さじ1を振りかける。
③鍋に①の戻し汁1カップ、水、ショウガを入れて火にかけ、干ししいたけを加えて煮立ったらアクを取る。
④③に酒大さじ2とスープの素を加えて約2分煮て②の鶏肉を加え、色が変わったら1分ほど煮て塩で味を調える。