「2世代運用」で行うべき
5つのこと

 2世代運用で行うべきことを、まとめると以下の通りだ。

(1)親の金融資産(あれば負債も)のありかと金額の確認
(2)親の金融資産の保有状態(ポートフォリオ)の確認
(3)親と金融機関・担当者との取引状態の確認
(4)親の金融資産の運用をシンプルに再編すること
(5)親と金融機関・担当者との付き合い方を整理すること

 以上だ。

山崎家のケースで
説明すると…

 筆者の家のケースを簡単にご説明しよう。

 筆者の父(1926〈大正15〉年生まれ)が他界したのは約5年前だった(享年89歳)。母(1935〈昭和10年〉生まれ)は当時81歳で札幌に住んでおり、元気に暮らしていた。

 この夫婦には、息子(筆者。1958〈昭和33〉年生まれ)と娘(1969〈昭和44年〉生まれ)がいた。父は、相続税が心配になるほどの額ではないが、母の老後の暮らしには十分な、数千万円の金融資産を残した。

 父の財産は息子、娘が相続を放棄して母が全額を受け取ってシンプルだった。地元の銀行の預金と証券会社の預かり資産があった。同じ証券会社の支店には、母の口座とそこそこの運用資産があった。

 父の保有していた有価証券(主に個別株式と投資信託)は全て換金して母が引き継いだ。