スタンフォード大学で
始まった教育へのVR活用

 VRはすでに教育の場で、さまざまな活用が始まっている。

 アメリカのスタンフォード大学で、Meta(旧称Facebook)の一部門「Facebook Technologies」が開発したバーチャル・リアリティヘッドセットであるOculus Quest 2とVR環境を活用して行われるコース「Virtual People」が開始された。

 VRヘッドマウントディスプレーを活用することで、これまで2次元の教科書や2次元ディスプレーからのインプットに頼り、人間の想像力の補完によって学習されてきたものが、より直感的に学習できるようになった。

「Virtual People」は、スタンフォード大学では初となる、授業のほぼ全てでVRを利用する講義である。授業では、VRがこれまでどのように社会へ浸透し、技術的進化をしてきたかをバーチャルの講義の形式で学ぶ。VR内での「課外学習」として、人種的不平等に直面した男性の人生を体験することで、人種的寛容さを学べるコンテンツなどもある。

 また、、大ブームを巻き起こした「ポケモンGo」はVRというよりもAR(拡張現実。現実空間にバーチャルコンテンツを表示することで、現実世界を拡張すること)であるが、教育への導入の入り口としてゲームを活用するのも有効だろう。

 今までは勉強と捉えられていたことが、VRやARによって体験化、ゲーム化され、さらに自分の成果や成長が数値化されることで、より楽しく、そしてモチベーションを維持しやすくなる可能性が高い。