最近、ユニクロがさえない。既存店売上高の前年同月比は落ち込み、株価も下落基調。ZARAやH&Mなど欧米ブランドから後れを取っている。ユニクロ失速の「真の要因」と、欧米ブランドを打ち破る“秘策”を探った。(流通ジャーナリスト 森山真二)
勝ち組・ユニクロが失速中
コロナ以外に真の要因あり?
ユニクロ低迷、「真の要因」と復活の“秘策”は何か――。
日本を代表するアパレルブランドのユニクロ。かつてより、「勝ち組」ともてはやされてきたが、足元での状況はさえない。
その一端が、小売業界の“体温計”である既存店売上高の前年同月比から見て取れる。運営会社であるファーストリテイリングが公表する国内ユニクロ事業の既存店売上高推移を見てみよう。
ファストリは8月期決算であるため、今期は2021年9月から始まっているが、21年12月までの推移は決して好調といえるものではなかった。9月が前年同月比19.1%減、10月が同4.8%減、11月が同4.6%減、12月は「感謝祭」があったにもかかわらず、同11.1%減と落ち込んだ。
もちろん、「ユニクロはすでに十分育っているではないか」「売り上げが2兆円もあれば十分だ」という声があることも承知している。
それゆえ、負け組として論じること自体、ナンセンスと言われかねない。ましてや、足元では、新型コロナウイルスの感染拡大という要因もある。
だが、それだけではすべてを解決できないと私は考えている。