最近、注目を集めている「FIRE」(経済的自立と早期リタイア)。実際のところ、どれくらいの期間があればFIREを実現することができるのか。『年収300万円からのFIRE入門』を上梓したファイナンシャルプランナーの西野浩樹氏に、日本でFIREをするとしたら、どれくらいの時間が必要なのか、話をうかがった。
10年以内のFIREは
現実的ではない!
FIREをするための書籍で多く書かれているのが、20年以上の中長期投資をしてFIREを達成するというレシピです。20代で始めて40代でのFIREを目指していく投資、30代で始めて50代でのFIREを目指していく投資、30~40代で始めて定年退職後の資産形成を目指していく投資などです。
このとき、インデックスファンドなどの投資信託で運用してFIREを目指すのが一般的とされています。インデックスファンドとはどんなものでしょうか。
株式投資を大まかに分類すると「個別株投資」と「投資信託」に分かれます。さらに投資信託では「インデックスファンド」への投資と「アクティブファンド」への投資に分かれます。
インデックスファンドとは、アメリカのS&P500や、日本の東証株価指数(TOPIX)、日経平均株価など、市場全体の指数(インデックス)と同じような運用成績を目指す金融商品です。
アクティブファンドとは、ファンドマネジャーや運用チームによる独自の銘柄選択や資産配分によって、指数(インデックス)を上回る運用成績を目指す金融商品です。
指数を上回ることを目指すアクティブファンドのほうが、運用のプロによる調査・分析などのコストがかかるため、インデックスファンドの金融商品よりも管理費用(信託報酬)が高めです。楽天証券を見てみると、インデックスファンド「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の管理費用(信託報酬を含む)は0.162%です。これに対して、アクティブファンド「GSテクノロジー株式ファンド」の管理費用(信託報酬を含む)は2.09%です。
一方で、自分で個別銘柄を選んで投資する個別株投資は、やり方によっては投資のプロが運用するアクティブファンドよりも高い運用成績を目指せるわけですが、当然ながら、損失を被るリスクもあります。