優秀な学生を世界から集めれば、
プレミアムな家賃がとれる

早稲田大学の近くにある国際学生寮で、なぜ慶応生の住人が増えているのか?木下斉(きのした・ひとし)
地域再生事業家
1982年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。一橋大学大学院商学研究科修士課程修了、修士(経営学)。国内外の事業による地域活性化を目指す企業・団体を束ねた一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事、一般社団法人公民連携事業機構理事を務めるほか、各地で自身も出資、共同経営する熊本城東マネジメント株式会社代表取締役、サッポロ・ピン・ポイント株式会社代表取締役、勝川エリア・アセット・マネジメント取締役なども務める。高校在学中に早稲田商店会の活動に参画したのを発端に全国商店街共同出資会社・商店街ネットワーク取締役社長に就任。その後現在に至るまで事業開発だけでなく地方政策に関する提言も活発に続けている。主な著書に『地方創生大全』(東洋経済新報社)、『地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門』(ダイヤモンド社)、『街づくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのか』(SB新書)などがある。

木下 昔はみんな大学周辺とかに下宿してて、なんとなくそういうコミュニティーが存在していた時期がありますよね。台湾に行ったときにお会いしたセブンイ-レブンとかフランチャイズチェーンを台湾で展開してる流通系企業の会長さんも、早稲田に留学していた人でした。話をしたときに、やっぱり下宿をしてて、そのときの付き合いとかで、いろんなビジネスを台湾で広げることができたという話をされていました。

上田 そうなのですね。

木下 別に早稲田にかぎらず、外国人も含めていろんな学生が集まってくる学生街としての新しい街のあり方とは何か? それにアップデートできるタイミングが来ているということなんですかね。

上田 ええ。その可能性はあると思いますね。あとは早稲田のまわりの大家さんにも、ぜひ協力していただきたいですね。

木下 確かに。でも、大家さんがそこのところをおそらく一番わかってないと思いますね。

上田 そうですね。優秀な学生を世界から集めれば、当然その人たちって教育に対してもしっかり投資もするわけだし、住まいに対してもしっかり投資をする方々なんですけどね。

木下 そうですよね。

上田 そういう方々が増えてくる街であればあるほど、単純にいうと家賃というところでもプレミアム家賃を取りやすくなるだろうし。建物の資産価値も上がって、ひいては街全体の価値も上がり、固定資産税も上がっていくという。これがまた好循環をどんどん生んでいくという形になりますよね。

木下 早稲田も古くなっているマンションとかもたくさんありますから、そのマンションのオーナーさんからすると、アパートとかマンションをどうしようかなっていうのは大きな課題なんです。そうなったときに、早稲田というあのエリア全体でのバリューアップと整合性のあるような投資をちゃんとやろうよというような、そういう勉強会を早稲田の商店街でやってもいいかもしれないですね。

上田 本当にそう思います。