「Youメッセージ」と「Meメッセージ」

「目線」以外にも、「Youメッセージ」と「Meメッセージ」という表現がある。

 相手目線のメッセージを「Youメッセージ」、自分目線のメッセージを「Meメッセージ」という。

「Meメッセージ」は、結局、「自分は」「自分が」というメッセージなので、常に「Youメッセージ」を意識しよう。

 次に上記「2.「誰が」を絞ると他に売れなくなると思い、絞れない」は、“「誰が」を絞ると他に売れなくなると思い、絞れない”ケースだ。

 コピーライティングでは、売ろうとする相手=ターゲットを設定する。

 ターゲットは買ってくれそうな人をグループとしてとらえる。

 ターゲットを設定する目的は、読み手に「これは自分だけに向けられたメッセージだ」と感じてもらうことだ。

 しかし、ターゲットを絞ってしまうと、それ以外には売れなくなると勘違いする人も多い。

 実際一つの商品・サービスでターゲットが複数のグループになることはよくある。その場合、どうするか?

 ターゲットを分けて、複数のLPを用意する。

 そうすれば、複数のターゲットに売れるようになる。

9割の人が知らない!【第一人者のコピーライティング技術100】売上に決定的な差をもたらす「Youメッセージ」vs「Meメッセージ」とは?■ターゲットを分け、複数のLPをつくる

 このようにターゲットを分けることをセグメンテーションという(セグメンテーションについては本書397ページで詳説)。

 LP・セールスレターを複数用意することを面倒くさがり、ターゲットの幅を広げてしまうと、メッセージは刺さりにくくなり、売上が伸びずに悶々とすることになる。

 それなら、違うLP・セールスレターを用意するほうがよっぽど効果的だ。

 面白いことに、ターゲットを絞ると、その周辺の人にも刺さりやすくなる。既存客に絞ったレターがあまりにも魅力的で、新規客がそれに反応するケースが結構ある。

 だから、ターゲットを絞ることが成約率を上げるためにとても重要なのだ。

 このように、LP・セールスレターのターゲットを絞ったからといって、そのターゲット以外には売れないということではないのだ。

 実際、ターゲットごとのLPの数が多いほど成約率が高くなる調査結果が出ている。

 アメリカのハブスポット社が、7000社以上の企業からまとめたデータがある(ハブスポット社は様々なマーケティングツールを一つのプラットフォームで運用できるようにしているのが特徴)。

ランディングページを10~15種類用意している企業は、10種類未満の企業と比べて、コンバージョン率が55%アップ、40種類を超える企業で500%アップ
出所:『成約のコード──デジタルツールと営業現場を連動する最強ノウハウ』(クリス・スミス著、神田昌典監訳、齋藤慎子訳、実業之日本社)