筆者が『文藝春秋』3月号(2月10日発売)で報じた自民党京都府連の選挙買収問題がいまだ鎮火しない。近く京都の弁護士らによって京都府連会長である西田昌司参院議員などが刑事告発されることになり、今後「選挙と金」を巡る動きについて、捜査のメスが入るのかに注目が集まっている。なぜこのような現金配布が続けられてきたのか。そこには大きく3つの理由がある。(フリージャーナリスト 赤石晋一郎)
システム化された
京都府連の選挙買収
筆者が執筆した『文藝春秋』の記事では、国政選挙において自民党候補者が選挙区内の府議・市議に自民党京都府連を通じて各50万円を配っていたという“選挙買収疑惑”を報じた。
元府連事務局長が作成した《引継書》では、この一連のスキームを「マネーロンダリング(資金洗浄)」と表現。候補者が直接50万円を地方議員に手渡せば選挙買収になってしまうので、府連を通じて渡し、政治資金収支報告書に記載することで違法行為を合法に見せかける仕組みを、京都府連は国政選挙の度に行っていた疑惑を記事では指摘した。
国政選挙で候補者が地方議員に金を配る。政治とカネの問題が叫び続けられるなか、なぜこうした問題が何回も起こるのか。本稿ではその背景について検証してみたい。