シベリア鉄道は使用不能、日本の貨物船が被弾!物流の大混乱を専門紙が解説写真はイメージです Photo:123RF

ウクライナ情勢が混迷の度合いを深める中、物流への影響が拡大している。航空輸送ではロシア上空の飛行が制限されていることで、スケジュールの見直しやリードタイムの延長など業務が複雑化。海上輸送についても、燃料価格の高騰からさらなる運賃上昇が避けられないとの観測が支配的だ。国際サプライチェーンの混乱を物流専門紙が解説する。(カーゴニュース)

ロシア進出企業は347社
物流や貿易にも厳しい制裁か

 ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始した。帝国データバンクによるとロシアに進出している企業は347社で、2013年からは1.6倍に増加。今後は、日米欧各国による経済制裁やロシアの対抗措置によって、物流や貿易内容などにも踏み込んだ、「より厳しい制裁が科される」との見方が強まっている。

 対ロ輸出規制の網が日本製品に拡大すれば、ロシアに拠点を置き、多くの部品・製品をロシア国外から調達してきた製造業のほか、市場開拓を進めてきた日本の小売・卸売といった流通産業などもダメージが避けられなくなるという。

 日本の企業の進出先としては、ロシア首都のモスクワのほか、サンクトペテルブルク、ニジニノヴゴロド、サマラなど、多くがロシア西部に集中。一方、天然ガスなど資源開発の進むサハリン、日本から地理的に近いウラジオストクへの進出も目立つ。