写真:河井克行元法相東京地裁に入る河井克行元法相(2021年3月23日撮影) Photo:JIJI

2019年の参院選広島選挙区を巡る選挙違反事件で、河井克行元法相(59)=公選法違反(買収)の罪で懲役3年が確定=から現金を受領したとして、東京第6検察審査会(検審)が「起訴相当」と議決した地元議員ら34人の事件が広島地検に移送された(3日付)。年度内にも立件される見通しだ。事件を巡っては、いったん東京地検特捜部が被買収側100人全員を不起訴としたが、処分には強い批判が相次いだ。国民の代表である検審の議決はその声に応えた格好だが、最近、検察の感覚が一般市民のそれとはずれてきていることが浮き彫りになっていた。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

検察審査会が起訴相当と
議決した3つのポイント

 河井元法相の確定判決によると19年3月~8月、妻の案里氏(48)=公選法違反の罪で執行猶予付き有罪判決が確定、参院議員を失職=を当選させるため、地元議員や有力者ら計100人に現金5万~300万円を配布した。被買収側の容疑(刑事告発されているため「容疑」と表記します)は、この現金を「受領した」ということになる。

 事件を巡っては昨年7月、特捜部がいずれも受動的な立場だったとして全員(1人は死亡)を起訴猶予に。しかし刑事告発していた広島市の市民団体「河井疑惑をただす会」は不服を申し立て、検審が今年1月、現職議員を含む81人を「起訴相当(35人)」「不起訴不当(46人)」と議決した(19人は不起訴相当)。

 議決書によると、検審は(1)金額の多寡、(2)公職に就いているかどうか、(3)返金や寄付の有無――を中心に検討。10万~300万円を受領した35人は起訴すべきと判断、理由を「(被買収側を処罰しないことは)重大な違法行為であることを見失わせる恐れがある」と指摘した。