ソフトウェアやコンテンツは無料のものが人気だが、必ずしも海賊版とは限らない。無料でないと利用されないという傾向から、動画サイトや電子ブック配信サイトと海賊版制作者とが裁判を重ねるにつれ、無料広告配信モデルが定番になってきた。有料サービスや有料コンテンツもあるが、無料が中国インターネットユーザーの常識だから、価格設定は非常に安い。日本では有料コンテンツや有料サービスは数百円からだが、中国の常識からはそれでも高く感じる。

 こうした状況なので、今後仮に、自衛隊が国防軍になるなど中国人が不快感を持つ政策が実施されたとしても、日本製家電の販売に影響は少ないと思っている。もともと中国人はスマートフォンによる脱AV家電志向が強く、中国製品そのものの品質が向上したこともあるからだ。逆に、日本が中国に対して融和的な政策を出したところで、それがスマートフォンに移行した人をデジカメに回帰させるトリガーにはなり得ないと思う。

途上国では「クオリティ」より
「エクスペリエンス」を重視せよ

日本製デジカメやゲーム機が苦境に!?<br />中国の「スマホ集約化」は日本以上インドのスマートフォン販売店
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 そして中国からその周辺国に目を向ければ、リッチな層からスマートフォンが売れ始めている。筆者自身、南アジアや東南アジアでヒアリングすると「次はスマートフォンを買いたい」という人が目立つ。いまのところ、途上国で電信会社が長期契約を条件に無料同然で提供しているのは、筆者の知る限り中国以外にないと思う。だからスマートフォンはリッチな層に限定されているが、やがてこの手のキャンペーンがスタートすれば、スマートフォンは庶民にまで普及していく。

 中国は人口の4割にあたる5億3800万人(6月末)がインターネットを利用しているが、利用者の家のパソコンに繋がっている回線はほぼ全てADSLであり、回線速度は遅くはない。アジアの国々では、ADSLが高価で普及していない、繋がっていても回線速度が遅い、LTEどころか3Gすら普及していないといった状況が当たり前だ。液晶テレビを置いたところで、放送データ自体が満足な画質でないこともままある。