――親がしてあげられることはあるのでしょうか?

 まずは、これまでインターンに参加したかどうかを確認し、参加していれば、インターンからの早期選考ルートに乗っているか否か、ワークや課題に対して企業側に評価されたかどうかを確認します。そうした結果が出ていないと、自信をなくし、つらくなり、就活自体がいやになることもあります。1つ内定があるだけでも気の持ちようがまったく違うのです。

 インターンで早期選考に乗らなかった場合は、理由を一緒に考え、一緒に悩むことが大事です。子は困っている自分に共感してほしいし、誰かに肯定してほしいのです。

質問とフィードバックで
子のアウトプット力を養う

 結果が出ていない場合、たいてい自分の考えが整理できていないことがボトルネックになっているので、一度、考えをアウトプットして、フィードバックを受けるという訓練が必要です。質問を受ける機会と、否定される機会を増やすことで、自分の考えに少しずつ自信と確信を持てるようになります。最初は自分の意見に自信がない場合が多いので、一緒に考えてあげるというスタンスが大事です。

 一方、インターンに参加していない子は、「やらないのか」「やれないのか」をはっきりさせる必要があります。就活にネガティブな思いがあって「やらない」のであれば、むしろ「やらなくてもいい」という選択肢を一度、一緒に考えてみましょう。我究館生の場合、就活はやらずに留学することにしたという学生もいます。

「やれない」場合は、仕事をすることや社会に出ることの自信の欠如や、否定されることへの恐れから逃げていることもあります。本人もそのことには気づいているので、「じゃあどうしようか」と、図を意識した問い方で、決して詰問せず、寄り添って聞いてあげてください。

 もし追い込まれているようなら、何のためにがんばるのか、どうしてがんばるのかまで立ち戻って考え、マインドセットをつくることです。場合によっては、就活から一旦離れ、休むことも選択肢だと教えてあげましょう。悲しいことに、就活が原因の自殺も一定数起こっています。コロナ禍含め激動の今の時代、究極的には「生きているだけで優勝」なのです。