――親は就活中の子にどのように関わればよいでしょうか?

 親が食卓で子の話をただ聞いてあげるだけでも、子の就活に関する不安はかなり解消されます。「ああしなさい、こうしなさい」という過干渉や極端な介入は反発されますが、一方で、相談したいけれど親に相談できないという学生も少なくありません。

 子との関係がうまくいくのは、「話を聞いてあげる」というファーストステップがあってこそ。

「共感」「肯定」「提案」といった「KKT」が大切です。子から相談されたら、何か言いたくなる気持ちをぐっと抑え、一度、話を全部受け止め、認めることが、助言の前に必要なのです。就活中の子はとても繊細です。親や周囲の大人の一挙手一投足から多くの情報を読み取り、勝手に傷ついてしまうこともよくあります。

 会話では、個々の事象やエピソードという「具体」と、それを一般化した「抽象」を行き来する会話を心がけてください。「アルバイトでこういう経験をした」というのが具体、「自分は○○という性格である」というのが抽象です。 

 面接やエントリーシートでは、具体的なエピソードと、抽象化された論点の整合性がとれていないと、筋が通っていない印象を企業側へ与えます。

「もやもや」を解消するため
内発的動機づけをサポート

 最終的に企業を決めるとき、納得して「もやもや」がない状態で適切に意思決定できることが大切です。

 親は子の「もやもや」を解消するために、コーチングのように問うことで、子自身が自分で気づいて、自分から何かを考え、結論を得るような、内発的動機づけを手伝ってあげてください。

 BtoCの企業はイメージできても、BtoBの企業のイメージがわかない学生など、仕事を通じたマネタイズのしくみを理解していない学生は多くいます。面接でも、仕事や会社の実態がわからないまま、志望動機を語ってしまっていて、面接官に違和感を与えることがあります。