フィードバックでは10段階評価で共有しますので、全国の同年代の選手と比較ができます。足の速さは全国でどの位置にあるのかを把握し、背筋の弱さがわかればそこをじっくり強化。指導者が自身の経験値から選手全員に実施する筋力トレーニングではなく、数値を使って個々の強化を行うんです。最近の学生にとっても、ファクトベースでメニューが組まれることは、モチベーション維持にも貢献できるでしょう。

 今の高校野球の傾向を見ると、1人の投手の投球数は「1週間で500球」と投球制限があります。しかし、500球投げても次の日に動ける選手もいれば、100球投げたら3日間は空ける必要のある選手もいます。こういった個人差なんかも、こういったファクトをもって実証できると良いと思っています。

闇雲に練習を増やすのではなく
理想的な部活動に近づくために

 最近では、こういったデータを重宝する指導者が増えてきました。睡眠時間や食事なども気にされています。そうでなくても外部指導員の登用などで部活動が変わっていく時代において、闇雲に練習時間を増やすのではなく、客観的事実を用いてトレーニングを組み、休むことができれば、コンパクトな部活動が実現するのではないでしょうか。そういった未来の実現を個人的も願っています。

 これまで野球の分野において6年ほど計測をしてきましたが、今後はサッカーをはじめその他競技も検討しています。これまでは、学校・チームからのご要望を受けて我々が出向いて測定をしてきました。この出張方式では、我々のリソースも限られていますので、サービスを幅広く提供できません。

 そこで、国が推進する部活動の地域移行を受けて、我々のサービスを基軸とした拠点を設けられないかと考えています。もしこのような拠点ができれば、幅広くその地域の部活動生にサービスを提供できます。地域の競技レベルを上げるのはもちろんですが、その拠点に学生が集まることで地域活性化にも寄与できる可能性も。

 また、その拠点を部活動生に限定せず、ジュニア・シニアのアクティビティにまで広げることでスポーツ振興、健康拠点とすることも可能と考えています。