2023年卒の学生の就活が3月から始まった。しかし、それはあくまで建前の話。すでに22年の夏や秋には多くの企業でインターンシップが開催され、参加している就活生もいる。とはいえ、「特に準備をしてこなかった」という就活生もまだ間に合う。学生と親は「これからが本番」と気持ちを新たにしよう。人気企業の採用から育成までを支援するダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント・福重敦士氏が、自分に最も合う企業に内定するための就活のコツを、数回にわたって伝授する。今回は、就活で企業関係者に聞くべき魔法の質問項目「QCTW」についてお伝えしよう。
前回は、研究すべき企業の数の増やし方と、「これしかやりたくない」という固執は自分の仕事のチャンスを狭める、という話をしました。今回はさらに深く企業を知っていくにあたって、会社と自分とのミスマッチを防ぐために何を聞けばいいのか、どのように仕事内容を知ればいいのか、という方法についてお伝えします。
実際に働くとはどういうもの?
就活をしながらイメージを膨らませる
企業説明会をたくさん聞いたり、選考が進んだりして、企業を深く知るようになったら、その企業では日々どのような仕事をするのかということも、イメージしていかなくてはなりません。会社のウェブサイトやCM、説明会の説明を見聞きしているだけでは、人々が具体的にどのような仕事をしているのかを掴むことは難しいです。
おそらくこの時期、先輩社員に会うための機会が設けられていると思います。たとえば、先輩社員座談会、OB・OG訪問会、会社説明会における質問の時間などです。直に社員と話す機会を得られたとき、社員に何を聞くべきなのでしょうか。
まず、自分がその企業に入ったと仮定して、自分の立ち位置を想像してみてください。どのようなポジションの人が周りにいるのか。どういう人たちと一緒に働くのか。取引先はどのような企業・業界なのか。お客様はどのような人たち・業界なのか。社内には社員以外のスタッフもたくさんいるのか――。まずは自分の立ち位置をイメージすることが、具体的な仕事内容を知っていくための第一歩になります。
よく企業説明会などで「最後に質問はありませんか?」と問われ、何を聞いたらいいかわからないという就活生の声をよく聞きます。しかしその企業について、自分が入社したときの立ち位置を想像したうえで尋ねようと思えば、聞きたいことはいくらでも出てくるはずです。その会社で自分が真剣に働こうと思っているなら、当然聞きたくなるはずなのです。