割り切りも大切
「嫌な人」は必ず職場にいる
なお、QCTWを駆使しても避けられないミスマッチがあります。それは、どの職場にもどんな会社にも、必ずあなたとそりの合わない嫌な人がいるということです。これはミスマッチというレベルの話ではなく、世の中とは得てしてそういうものだということです。
「ガチャ」と同じで、そういう人と一緒の職場になることは避けられません。今までの人生を振り返っても同じでしょう。好きで入った部活やサークルにも、きっと嫌いな同級生や先輩がいたでしょうし、「職場の雰囲気が良さそう」と思って始めたアルバイト先にも、嫌な人はいたでしょう。自分と嗜好の似た人が集まっている確率の高いゼミにも、来てほしくない人はいたでしょう。
それと同じことで、どんなにあなたに合った仕事ができる雰囲気のよい企業であっても、運悪く合わない人がいるかもしれないということは覚えておいてください。それだけで、その企業が「合わない、無理だ」と思うのはもったいないことです。
「入社後ギャップ」を防ぐ心得
特別な質問ができるのは就活だけ
さて、数回にわたって3月、4月の就活のピークをどのように迎えるかについて、いくつかのヒントをお話してきました。変化の激しい時代になり、「新卒一括採用は今の時代にはもうそぐわない」という人もいます。しかし、私は新卒一括採用には良い面もたくさんあると思っています。
というのは、就活とは人生でただ1回だけ、お金儲けのために日々活動している企業に対して(あなたがその企業で働くことになるかどうか、つまりお金儲けの役に立つかどうかわからないにもかかわらず)、何もわからないふりをして「御社はどういうことをしている企業ですか?」「御社の仕事内容はどんなものですか?」ということを聞ける貴重な機会だからです。
就活に対応する企業側の努力も並々ならぬもので、企業説明会の内容の精度は概して非常に高いものです。企業が日々の業務などについて、部外者に教えてくれることなど今後は一切ありません。
就活とは、企業の特別なことをいろいろ聞けたり現実を知ったりできる、ものすごく大きなチャンスなのです。せっかく就活をやるなら、表面的にではなく、今回お話したようなことを念頭に置いて、深く広く企業を探ってみるといいでしょう。就活にとどまらず、これからの人生にとって確実にプラスになります。また、深く広く見れば見るほど入社後のミスマッチも少なくなります。
どうか、あなたの前に多くのチャンスがあることを知り、前向きに就活に取り組んでいってほしいと思います。
(ダイヤモンド・ヒューマンリソース HD首都圏営業局 局長 福重敦士、構成/ライター 奥田由意)