企業型確定拠出年金の最大の特徴は、一度拠出を始めると60歳まで出せない、ということ。

 一見、使い勝手が悪そうな制度に思えるかもしれません。それにもかかわらず、なぜ私がこんなに一生懸命、お勧めしているかというと、そのデメリットを打ち消して余りあるお得なメリットが付与されている制度だからです。

 ちなみに、60歳まで出せない、というのはつまり、60歳以降のお金を貯めていくための制度です。すなわち、老後の資産形成のための制度。私はよく「一度入れたら60歳まで取り出せない、割れない貯金箱ですよ」とお伝えしています。

 そして、誤解を恐れずに言えば、老後の資産形成のための制度や金融商品の中で、これ以上にお得なものはありません。

 企業型確定拠出年金のおおもとのアメリカでは、企業型確定拠出年金を多くの国民が活用し、資産形成をしているのです。アメリカの企業型確定拠出年金は「401k」と呼ばれていますが、アメリカ版ヤフーファイナンスの記事によると、このコロナ禍にもかかわらず、「401kミリオネア(資産を1億円以上保有している人)」といわれる人たちが増加しているといいます。

企業型確定拠出年金は、いったいどのぐらいお得?

 みなさんの給料明細を見ていただくと、給料の額面から、だいぶ減ったものが手取り額になっていませんか。

 これは、給料の額面から、所得税、住民税、社会保険料などが引かれているからです。

 企業型確定拠出年金は、この給料の額面から天引きされる税金や社会保険料を抑える効果があります。さらに、その掛金を運用していくことができるのですが、運用して増えた利益に関しては非課税です。今流行りのNISAのような機能も兼ね備えているのです。

 税金や社会保険料は、年々増加傾向にあります。特にコロナによって、今後増加していく可能性が高いでしょう。そんな時代において、税金や社会保険料がお得になって、老後に向けて資産形成がしていける、とてもありがたい制度なのです。

 では、実際、どれくらいメリットが出るのか?