部下の話に耳を傾けない
人望なき上司の末路
相手によって態度を変える典型的な人種として、「腰巾着」だとか、「太鼓持ち」だとか呼ばれる人がいます。
たとえば会議で自分より立場の上の人が意見をいうと、間髪をいれず、「おっしゃるとおりです! 私もそう思っていました。全面的に賛成です」などということができる人のことです。
以前働いていた会社にもいました。特に仕事で大きな成果を上げたわけではないのに局次長のポストに収まっているおじさんです。
彼は月に1回行なわれる、局全体の方針を決める会議で局長が何かを提案すれば、ろくに中身を吟味することもなく、「それはすばらしい案だと思います!」という芸当が“脊髄反射的”にできるのです。
それから、ランチはしょっちゅう局長と一緒で、「いいですね! 私も食べたいと思っていました。ぜひご相伴に……」と、金魚のフンみたいにくっついて回ります。
そして、部下とはけっして行かない。
自分の利益になるか、ならないか。
それがすべての判断基準です。
部下の話に耳を傾けることなんて、ゼロに近い。そして部下に対してムダに厳しい。特に局長が嫌がりそうなことをやる部下への厳しさはハンパない。たとえば、服装の乱れを嫌う局長でしたので、服装のことに対してやたら細かくチェックして、注意する。あっぱれな腰巾着っぷり。
当然、部下からの信頼などはなく、尊敬もされず、その局長が退職するのに合わせてリストラ対象となり、さびしく退社していったのを覚えています。