写真:ブラック企業で働く男性写真はイメージです Photo:PIXTA

インターネット上には給料や待遇などの不満があふれる。ダイヤモンド編集部は、企業の与信管理を支援するベンチャーが集めた大量の口コミデータなどを基に、働き方に関する従業員の不満が多い“ブラック”企業ランキングを作成した。大手鉄鋼メーカーが首位となったほか、検査不正が発覚した名門の大手電機メーカーや大手保険会社などが上位に名を連ねた。(ダイヤモンド編集部編集委員 名古屋和希)

ネガティブ投稿をAIで収集
9000件でトップ10を選定

「業績が悪化しボーナスがカットされた」「残業時間は60時間までなので、それ以上はごまかしている」――。

 こうしたネット上に大量に存在する投稿や口コミを人工知能(AI)で収集し、企業向けに与信管理サービスを提供するベンチャー企業が、アラームボックス(東京・新宿区)だ。

 同社が提供するサービスを利用する企業は、取引相手の企業に関するネット上のネガティブ情報をタイムリーにチェックでき、リスク管理に役立てることができる。

 具体的には、ソーシャルメディアや口コミサイトなどの投稿を深刻度の高い順に「要警戒」、「注意」、「チェック」の3段階に分類する。

 企業は取引相手の企業をあらかじめ登録しておくことで、取引先企業の業績などに影響を与え得るような投稿などがあった場合、メールなどで通知してもらえる。

 給与未払いやパワハラなどに関する深刻な投稿があった場合、顧客企業は取引先企業の炎上リスクにも備えやすくなる。

 アラームボックスは、ネット上の口コミや投稿などだけでなく、提携先の信用情報会社が持つ情報も与信管理に活用。4000社以上が同社のサービスを利用する。

 今回の働き方に関するネガティブ情報は、2021年に大手企業など2400社について、転職サイトに投稿された口コミなど約9000件が対象だ。

 ダイヤモンド編集部は、アラームボックスのデータを基に、ネガティブな口コミを多く集めた企業のランキングを作成した。

 1社当たりの平均は約3件だったが、トップ10に名を連ねた企業は、平均をはるかに上回るネガティブ投稿を集めた。

 大手鉄鋼メーカーや名門電機が、新型コロナウイルスによる業績悪化や不正発覚などを背景にランキングの上位を占めたほか、大手不動産会社や、大手保険会社もランクインした。

 次ページからは、トップ3の具体的な社名と投稿数とともに、具体的な投稿内容も明らかにする。