義務教育の延長により
18歳まで全て無料に
5月6日の「ニューズウィーク日本版」デジタルに次のような記事が掲載された。
国際学力調査で常に上位のフィンランドは、「誰一人取り残さない」が合言葉の底上げ教育が特徴だ。そんな教育格差レスの国が昨年から乗り出したのが義務教育の延長。先進国の多くは義務教育終了が15~16歳だが、フィンランドは従来の16歳から18歳へ引き上げた。これまでも大学院まで授業料は無料だったが、今後は18歳まで教科書や備品、学食の費用が全て無料に。狙いはさらなる教育の平等、そして国民総「高スキル人材」の実現だ。社会からの脱落や孤立化を防ぎ、労働市場でも「誰一人取り残さない」を目指す。(下線筆者)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/05/18-29.php
ツイッターなどの反応を見ると、概して反応がよく、特にリベラルな考え方の人たちには圧倒的に評価されていることがうかがえた。
参考までにツイッターから意見を拾うと、「いいですね。日本も公教育にこそ投資すべきでしょう」(脳科学者の茂木健一郎氏)や「そう、先進国ってこういう考えなんです。『人への投資』―この時代の基本的な理念ですね。人材育成は国力にも直結します。(後略)」(前衆議院議員の屋良朝博氏)などが代表的だろう。
フィンランドは日本人には人気のある国だろう。森と湖のイメージや、テレビアニメにもなったトーベ・ヤンソン作の『ムーミン』、マリメッコなどのファッションやイッタラの食器、アルテックの家具など、北欧デザインの発信地として、特に女性に人気が高いようだ。
このフィンランドのイメージの高さに貢献したのは、なんといっても「教育先進国」としての評価の高さだろう。
特に、教育無償化を早くから実現して、生徒の個性を重視した少人数制や自主性を重んじた教育方針は、詰め込み教育や受験戦争が当たり前の日本人にとっては憧れすら生み出している。