JA自爆営業の闇 第2のかんぽ不正#3Photo by Takeshi Kubota

農協職員による「保険金詐欺」や「無断借名契約」など、事件化した共済の不祥事は氷山の一角だ。特集『JA自爆営業の闇』(全8回)の#3では、「農協職員アンケート」の回答を基に、共済事業における違法行為などを明らかにする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

>>農協職員&家族を対象にしたアンケートの回答を追加で募集中です。ご回答はこちらから
https://jp.surveymonkey.com/r/2RMPQFR

かんぽ生命の保険の不正販売に酷似
職員がJA共済の闇を暴露

 農協職員が18億円を詐取した長崎県のJA対馬の不祥事では、職員が台風被害を捏造して建物共済の保険金を受け取っていた。だまし取った保険金は共済の実績作りのために、契約者の同意なしに結ばれる共済契約の原資にされていた(詳細は特集『JA陥落 農業沸騰』の#3『18億円搾取の農協保険トップ営業、対馬の海に沈む…JA共済連の無責任体質が露呈』参照)。

 この事件はJAグループ内では特殊事例として片付けられてきた。だが、ダイヤモンド編集部による「農協職員アンケート」と取材で、職員が主導する保険金詐欺などJA対馬の例に類似した不正が他県でもあったことが判明した。

 次ページでは、農協職員による保険金詐欺や保険の不適切販売の手口をつまびらかにしていこう。取材を進めると、2019年に発覚した「かんぽ生命保険の不正販売」と酷似した構図が浮かび上がった。